このレンズについて
2011年12月に発売されたカールツァイス銘の単焦点レンズ。
Eマウント最初のツァイスレンズらしい。
FEレンズやサードパーティレンズが出揃った今となっては新品で買うのが憚られてしまうレンズで、
例えば後発で似たような性能のSEL35F18Fはちょっと安いし、Sigmaの30mmF1.4DC DNだと新品で4万程度と半値。
正直いって価格設定が悪い意味で間違っていると言わざるをえない。
同じ画角のレンズがいる。
実は同じ画角の中国製AFレンズが存在する。Sigmaも24mmF1.4DC DNを出すという話があるので更に肩身が狭くなりつつある。
中古は安いよ
でも中古ならほぼ半額で買えちゃう。筆者も中古で買った。
中古については某カメラ屋のECサイトを見ても安定した供給が見込める状況(2023年4月現在)で、
中古落ちしてからが本番という遅咲きのレンズである。
見た目
キットレンズSELP1650のだいたい3倍の長さで重さは2倍。
なんとこのレンズは外装が金属製で、触るとひんやりしていて高級感もある。
(冬はちょっと触るのが嫌だけども。)
レンズフードも先端部が別パーツという凝りっぷり。
ボタン類は一切無し。ツァイス製AFレンズも継ぎ目の無い流線型でかなり攻めているので、
外装の素材も含めてツァイスの監修が入っているのだろうかと考えてしまう。
使用感
使ってて楽しい
(単焦点レンズを触るときはいつも言ってるが)
とにかく深く考えずに気楽に撮りまくるにはとても良いレンズと言う印象。
絶妙な画角+そこそこの近接性能+大口径という組み合わせは、
ズームできないという不便さを許容できればかなり使い勝手が良い。
古いレンズだがAFについては全く問題にならない。
リアルタイムトラッキングも使える。
微妙な画角の24mm
個人的に35mm版換算36mmは妥協と慣れが必要な画角だと思っている。
上で使い勝手が良いとは言っているが、この焦点距離単体で見ると少し使いづらい。
なので足で画角を調整して行く。
「自分の視界に写るものをそのまま切り取る事」を意識すると良いらしい。
ボケない単焦点
当たり前だが50mm程はボケない。いっそ絞って被写界深度を深くしてから雑に撮った方が楽しい。
実はマクロもこなせる。
SELP1650よりも大きく写せる。いわゆるクオーターマクロ。
画角もちょうどよいのでテーブルフォトもこなせる。
よくわからないがツァイスレンズは発色も良いという話なので、
料理やお菓子の写真を取ってSNSに上げるのにも重宝しそう。
気に入る人は気に入る
意外に持ち込んで面白かったのが水族館。
小さめのクラゲ水槽から大きな水槽まで何でもござれで非常に使い勝手が良かった。
似たような理由で庭園や公園に持ち込んでも楽しい。
その辺に生えている草を撮ってもそれっぽくできる。
総評
「明確な目的はないがなにか写真を撮りたい時」にはこれというレンズ。
逆に撮りたいものや状況がはっきりしているならこのレンズは何をやらせても中途半端なので楽しくない。
そういった性能から、50mmでボケを楽しんだ後の3本目の単焦点レンズとしておすすめしたい。
初めての中古レンズとしても悪くないので、状態のいい中古を5万以下で見かけたのなら買っておいて損はない。