概要
2007年3月発売のAマウント向け標準ズームレンズ。Eマウントで言うところのSEL1670Zと似たような立ち位置のレンズで、広角16mmから80mmをカバーする汎用性の高いレンズとなっている。
購入経緯
中古カメラの販売会でたまたま見つけ、LA-EA5を使えば案外使えるのでは?と思い購入した。購入時の価格は確か3万程度だった。
α6600とLA-EA5ならAFが効く
SAL1680ZはAマウントレンズの中でも「SSM/SAMレンズ」と言われる物で、マウントアダプターを介して使用する場合のAF動作に制限がある。具体的に言うと、LA-EA5を使用してカメラに接続してもAFが使えない。
しかしAPS-C最上位機種(α6600/α6700)はLA-EA5使用時でもAF機能をほぼ制限なく使えるため、事実上のα77M3として運用することが可能となる。
使用時の感想
見た目・大きさは悪くない
マウントアダプター込みの長さはSEL1655Gより少し長い程度で、焦点域が広い事を考えるとまあ納得できる範囲。重量は当然SEL1655Gよりも重くなるが、重心がマウントアダプター側に来るため安定感もあり意外と問題にはならなかった。
あとAPS-C機でもオレンジの差し色が入るのでなんとなく嬉しい。(カメラと一緒に写っているのは記事主の本体なので気にしてはいけない。)
AFも好印象
アダプターを噛ませている割にAFも速い。リアルタイムトラッキングはほぼ使わなかったが基本的な撮影で困るようなことは全くなく、AF-Cで使用しても不自由が無いほど。
一方でAF駆動時の音は非常に大きかった。ちょっとした動作でもモーターの駆動音が鳴り、力技で古いレンズを動かしている、という印象。
これはレンズではなくLA-EA5の問題なので仕方がないが、演奏会などの静かに撮影したい場面では使えないと考えた方が良い。
写りも悪くはない。
F値が大きいため暗い場面ではパッとしないが、日中の撮影であれば十分。古いとはいえ流石ツァイスレンズ。
SEL1655Gに比べると色が濃く出る印象。個性があるレンズは古い時代のレンズというのは記事主の個人的な偏見なのだが、撮っていて楽しいので無問題。
防塵防滴ではないので悪天候で使うのは推奨しない。レンズが大丈夫でもマウントアダプター側が無理。
暗い所でも使えないわけではないのでそのへんは安心。
広角16mmスタートで80mmまで使えるという使い勝手の良さはもちろん良いのだが、何故か使っていて非常に楽しかった。
ツァイスレンズがどうとか、F値が可変だとか色々あるが、この焦点域が1本で使えるということの意義は大きい。
売った理由
自重落下するので・・・。
このレンズ全体の問題なのか、購入した個体の問題なのかわからないが、カメラを肩にかけているといつの間にかレンズがテレ端になっているという、いわゆる自重落下の症状が出ていた。
1回修理に出して使っていたが、しばらくして再発したため諦めて売却してしまった。修理費用は3万弱で、購入費用と同じくらい修理にかかったのに「時間をおいて」再発したときには起こるを通り越して笑うしかなかった。自重落下がなければ多分まだ使っていたはず。
まとめ
「α6600/α6700を持っていて、SEL1670Zを買いたくないが広角16mmスタートの使い勝手の良いズームレンズが欲しい人」向けレンズ。要するに超ニッチ。
しかしAPS-CのEマウント標準ズームレンズがSEL18135かSEL1655Gの2択となっている今の状況を考えると、両者の中間的な性能をもったレンズが欲しい人は結構いるのでは無いかと思う。
(ちなみにSEL1670Zも生産終了になっているので、SAL1680Zと立場はあまり変わらなかったりする。)
今買うとしたら確実に中古なので、個人的には鏡筒部が自重落下するかどうかの確認を必ずしてから買うことを推奨したい。当たりを引けば結構満足できると思う。