忙しい人向けのまとめ
これを買えば望遠域はおしまい
基本スペック
- 焦点距離/F値: 50mm/F4.5--400mm/F6.3
- 最大径: 88.5mm
- 長さ: 183.4 mm
- 重量: 1,155g
- 最短撮影距離: 0.25m (WIDE) / 1.5m (TELE)
- 最大撮影倍率: 1:2 (WIDE) / 1:4 (TELE)
(出典: タムロン公式サイト)
購入に至った経緯
α7RVへ買い替えた際、「せっかくなら望遠レンズもフルフレームに移行すれば良いのになぁ・・・」という機材沼からの呼び声に負けて買ったのがこのレンズ。入れ替えでα6600とSEL70350Gが旅立っていったので実質無料で手元にやってきた。
余談: SEL70350Gについて
α6700が半年早く出ていればまだ持っていたに違いないし、この記事はSEL70350Gの長期レビュー記事になっていた。AFの速度と精度は今回記事にした50-400mmよりも一段上な印象なので、APS-Cに留まる人で接写性能を求めないなら純正のSEL70350Gも強く推奨したい。
実使用時の感想
外観
まず外観をサラッと見ておく。

物撮りの練習がてらブースを展開して撮影してみたが、何も考えずに取ろうとすると入り切らないくらいの大きさがある。全長と重量を考えると中身の入った1Lのペットボトル1本分くらいが一番近い。
外装は半光沢のプラスチック。流石に純正の大三元レンズや超望遠レンズと比べると高級感はないが、極端に安っぽい感じもなく剛性感もしっかりある。スイッチ類も手振れ補正とカスタムの2つ、フォーカスフォールドボタンとズームロックと充実しているので、価格を考えれば十分な品質といえる。

またUSB type-C端子が露出しているが、スマホと同じくある程度の防塵防滴機能を持っているらしい。気になる人は蓋をしてしまうのもあり。
良いところを具体的に
「望遠レンズから不自由という概念だけを削り取ったような」完成度の高さ。良いところばっかり。
50mmスタート
これは一番大きい。例えば自衛隊や米軍の航空祭では地上展示を撮影するために標準レンズに交換する必要がなくなる。

レンズを交換しているうちにシャッターチャンスを逃す事もなければ、交換時にホコリが付いて後処理が面倒になることも無い。かと言って広角域スタートの高倍率ズームにありがちな望遠域でのAFや画質の問題も無い。

航空機撮影以外でもレンズ交換の手間が惜しい場面は結構ある。野球の試合で7回表が急に終わった時とか。
寄れる上にフォーカスリミッターを使用可能
望遠レンズといえば最短撮影距離が長く、被写体がちょっと近づくとすぐピンボケになるというイメージがある人も多いかもしれないが、このレンズに関しては違う。ワイド端では25cm、テレ端でも1.5mなので、まともな構図を狙っている限り焦点が合わなくなるおそれはほぼ無い。

機体の前に置いてあったりする展示品をレンズ交換無しでぱっと撮れる。(それはそれとして“Japan Navy”はマズイのでは・・・。)逆にここまで最短撮影距離が短いと逆に手前の障害物に焦点が合ってしまうリスクが生じるが、このレンズは対応ソフトでフォーカスリミッターを設定できる。設定すればカスタムスイッチで被写体との距離に応じて焦点の合う範囲を切り替えることができる。

手前に柵を配置して撮影しても航空機側に確実にピントが合うのは流石。
三脚座が使える。
人によっては無くても困らないが、このレンズに別売りの三脚座が存在する。レースや野鳥の撮影で一脚・三脚を使用する人にとっては必須と行っても良いそうなので、三脚座が使えるのも利点としてはかなり大きい。ちなみに社外品の三脚座も存在するので安く上げたい人はそちらも選択肢に入る。記事主は社外品(品切れ中)を使っている。

純正のほぼ半値以下だが、縦横の位置決め用のマークもあり作りもしっかりしていた。持ち手としては使えないが三脚座としてはこれで十分。
悪天候でも使える。
雨や雪の中でも持ち出したが、撮影時も全く問題なく動作している。
(使用後に整備することが前提だが、)後からカビが湧いたとか故障したとか、そういった問題は今のところ発生していない。本体側が防塵防滴に配慮した設計である必要はあるが、レンズ側は水没しない限りは大丈夫なのでは無いだろうか。

大雨だった2026年の岩国航空祭にて撮影。カメラ用のレインカバーを使っても無意味。午後の展示飛行がほぼ全部キャンセルになるひどい雨だったが見事に耐えた。

大雪でひどいことになった動物園に飛び込んだときの写真。このときはレンズの上に雪が積もる中で動物を撮っていたが無事生還。なお雪でAFが大暴れしろくに撮れなかった模様。
このレンズの気になるところ
なんかAFが遅い気がする。
気がする、と書いてあるとおり印象の話だが、以前使っていたSEL70350Gに比べるとAFの性能は一歩劣るような感覚がある。
サードパーティレンズ+高画素機の組み合わせだと致し方ない部分もあるので、個人的にはもう流し撮りは諦め、1/2000秒以下の高速シャッターで撮るようにしている。
・・・まあ多分手慣れた人なら流し撮りも普通にできるとは思う。

ホバリング中のヘリくらいならシャッター速度を落としても行ける。
連射制限と手振れ補正の制限
ここは正直気にする必要はほぼ無いが、一応軽く記載しておく。Eマウントの一眼カメラには、サードパーティレンズを装着している際は連射速度と手振れ補正に制限がかかるようになっている。なのでα9などの高速連射機を使用する場合はこのレンズだとカメラ側の性能を発揮できない。(このへんはソニーの公式サイトに記述があったはず。)
暗い
これはもうどうしようもないので諦めるしか無い。後処理でノイズを減らす方向で頑張ろう。

屋内のショーとかスポーツは一眼カメラとしてみると結構厳しい。とはいえスマホよりは明らかに画質は良いので、ここは比較対象の問題だろう。上記の画像はAIでのノイズ除去でなんとかしている。

ちなみにゴーストも出るが、そこまで不快な感じではないので表現として使えるはず。
まとめ
望遠レンズを使っていると発生する問題がこのレンズにだけ発生しない。もちろん暗いレンズではあるのだが、そもそも「明るい望遠レンズ」は一般人が買える代物ではないので問題にすらならない。
APS-CのWズームレンズキットの望遠レンズが換算300mm近辺までなので、焦点距離400mmだとさらに遠くの被写体を引き寄せることができる。それでいて撮影時に不自由さがない。せいぜい少し重くて(望遠レンズなので)デカいと感じるくらい。
記事主が高画素機のα7RVを使っているのもあるが、「APS-Cクロップ時に換算600mmまで行けるのだから、望遠レンズはもうこれで終わりでよい」という結論に至った。

こういう感じの画像も

こうやってトリミングすればいい感じにできる。高画素は正義。
余談: 焦点距離600mmの壁
焦点距離600mmに届く超望遠レンズというのは何をどうやっても価格が20万を超えてくる上、買った後にはレンズの輸送手段や保管場所を考えなければならないので非常に敷居が高い。野鳥やプロスポーツ撮影をガッツリやるならまだしも、なんとなく持っておける望遠レンズの限界は焦点距離400mmが上限だと思われる。
望遠レンズが買えなくなる
高価な部類だが費用対効果という意味では最高。同価格帯の望遠レンズは他にもあるが、以下のように50-400mmはどの競合製品に対しても何かしらの強みがある。なので他のレンズを買おうとすると、「まあ50-400mmがあるしなぁ・・・。」と踏みとどまってしまうようになる。
- 安い。だがズームレンジが狭い=>タムロン70-300
- テレコンが使える。だが50mmが使えない=> SEL100400
- もっと寄れる。だがリーチが足りないし高い>SEL70200G2
- 同価格帯で高性能。だがAPS-C専用=>SEL70350G
このレンズを買ったが最後2本目の望遠レンズという選択肢が消滅するため、実質的にはレンズ沼のワクチンとして機能してしまう。毎年打つ必要があるインフルエンザのワクチンに比べれば1本で済むため手間も少ない。 まあこのレンズで満足できない状況が発生した場合、次に買うのは価格が30万近いレンズになってしまうのだが・・・。

その時はもう思い切って一番いいのを買ってしまえばいいと思う。




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